きみは肉を手にしてオークたちのテーブルに歩み寄った。
「やあ、一緒に飲ませてくれないかなあ」
「なんだぁ、人間かぁ?」
「俺たちを何だと思ってんだ。侵入者をぶち殺す傭兵だぜ」
 オークはきみを胡散臭げに眺め回していたが、きみがテーブルの上に肉を置くと、急にご機嫌になった。

   乾肉 −1  または、 薫製肉 −1

「まあいいや、座んなよ。たまには人間と飲むのもいいものだ」
「そうさ。俺たちゃ、土産を持って来た人間は大好きだ」
 きみはオークたちと酒を飲みながら、馬鹿話の相手をした。そうして話しているうちに、オークたちが宝のことを喋り始めた。
「ゴブリン・ロードの宝を狙ってるんだったら、『水晶の鍵』がないとな」
「そうだ。『水晶の鍵』を手に入れるには、ワイバーンを倒さなきゃなんねえ」
「そうだ。ワイバーンを倒すには……むにゃむにゃ…………」
「ぐーう…………
「それから?」
「…………」
「…………」
 オークたちは二人とも酔いつぶれて寝てしまった。いくら声をかけても起きない。
「こりゃ駄目だ」
 きみは諦めて、部屋から出ることにした。椅子から立ち上がろうとした時、テーブルの上の紙切れが目に入った。紙切れには、『白い森』とだけ書かれている。何だろうと思いながらも、きみは扉の方へと歩いて行った。


東の扉から出る

西の扉から出る

北の扉から出る