きみは足音を忍ばせ、壁伝いにそろそろと歩いて行った。
「ふんがぁー」ゴブリン兵が急にいびきを立てたのでギクッとしたが、見ると相変わらず眠りこけている。ほっと胸をなで下ろすと、きみはまた壁際を忍び足で進み始めたが、壁に貼り紙がしてあるのにふと気づいた。

  ――わいろの受け鳥を禁ず。得に冒険者から請け取った物は、禁固形
    今月の収賄材−23匹

 ゴブリンの馬鹿どもめ、と思いながらも、きみは慎重に扉まで歩み寄ると、そっと木の扉を開けた。
 そのままきみは北へと向かった。


北へ行く