「ふん、起きたら、その時はその時のことさ」
 きみは堂々とゴブリンの横を歩いて行った。
「ふんがぁー」ゴブリン兵が急にいびきを立てたのでギクッとしたが、ゴブリンは何か小声で寝言を言っている。
「鍵が消えちまうからまた取りに行かなきゃ、むにゃむにゃ……めんどくせえ」
 ゴブリンの馬鹿め、と思いながらも、きみはさっさと扉まで歩み寄ると、そっと木の扉を開けた。
 外には川が流れている。きみは丸太の橋を渡り、西へと向かった。


西へ行く