きみは足音を忍ばせ、壁伝いにそろそろと歩いて行った。
「ふんがぁー」ゴブリン兵が急にいびきを立てたのでギクッとしたが、見ると相変わらず眠りこけている。ほっと胸をなで下ろすと、きみはまた壁際を忍び足で進み始めたが、壁に貼り紙がしてあるのにふと気づいた。
――立入禁止区息にはは入るへからず。
今月の不傷者−47匹
ゴブリンの馬鹿どもめ、と思いながらも、きみは慎重に扉まで歩み寄ると、そっと木の扉を開けた。
外には川が流れている。きみは丸太の橋を渡り、西へと向かった。
西へ行く