ミッション達成講座後編 




 捕らえられた良平を救出すべく、オニビと
二人で難攻不落の中央政府第三要塞に
侵入したガイア。収容所の時と同じ手で、
兵士に化けてやって来た。現政府の
実質上の支配者、樋川理沙が恐れるのは、
雇われ用心棒でさえ命を懸けて助けに
来るというこのガイアの性格だ。



 誰からも疑われることなく、ここまでは
予想以上に巧く事が運んだ。良平は
すぐそこにいるではないか。だが……



 やはり罠にはまってしまった。この扉は
押しても押してもビクともしない。
「押しても駄目なら引いてみな」ったって、
「引く」ってのはどのキーを押せばいいの?
キーを引けばいいの? なんて馬鹿なこと
言ってないで、部屋ん中調べるっきゃないよ。



 くぅー、結局モンスターとやることに
なるわけ? RPGしてるなあ。
でもさっきのぶさいくな低級風水術師と
違って、てごわそー。



 こいつは初めの方で登場して来た風神
じゃないか。何の用だろう? 政府側に
寝返った裏切り者が、どういうつもりで
そんなことばらすわけ? あの時
見逃してやったことを恩に着てるのか、
それとも何かの罠なのか……



 選択肢が他になかったので、言われる
まま屋上に出てみたが、55階建ての
屋上からどうやって脱出しろってえの?
やっぱり怪しい奴もすぐそこにいるし……。
向こうから見ればこっちこそ怪しい奴
なんだろうけど。



 無駄とは思いながらも屋上をうろつき
回る。急に良平が何かひらめいたようだ。
ヘリか、ううーむ……。ヘリジャックすれば
脱出できるかもな。それはそうなんだけど
……誰かヘリ操縦できる人いる?



 ヘリで飛べば行けない場所はない。
ふだん入れなかった所でも、簡単にこう。
おまけに原っぱだけはヘリから乗り降り
できるのだ。牛さんに話し掛けたからって、
何か起こるってもんでもないけど。
このあともう一度乗り込むと、思いっきり
スピードアップした。そんなの作者の
わしだって知らんかったよー。



 原っぱに着陸できるからったって、ヘリを
乗り捨てたままアジトに帰っちゃうなんて、
そんなチャリンコどろぼーみたいな
真似したらいかんぜよ。最後はちゃんと
この駅跡に着陸するべし。このあと
フォーゲルと不知火の二人、墜落
しなかったんだろうか、あの石橋を崩し
ながら渡る性格じゃあ、かなり心配……。



 アジトまで戻って来ると、仲間たちが
寝ずに待っててくれていた。いい仲間
たちだなあ。でもこっちは、みんなが
心配して待ってくれているのもよそに、
東京上空を悠々と飛び回ってナイト
フライトを満喫してたっけ。わりーわりー。
でもそのことは黙っとこうっと。内緒内緒、
ないしょの話はあのねのね♪



 無事ミッションは達成したものの、
負けた借りはしっかり返さねば。



 独禅居士の技の秘密を知るために、
師の寂音法師を捜すことになった。
片っ端から聞き込みだ。まず身近な
奴から。知ってる訳ないよなー。

 


 次にアジトの裏部屋へ行ってみたけど、
ここはもうそんなこととは関係のない
奴ばかり。好き勝手なこと喋ってる。



 こいつが知ってるはずないとは思うけど、
念のため。
 やっぱりまた居眠り中か。



 次は地下街で聞き込みだ。まずは
闇商人のガングロお兄さん。
全然関心なさそう。



 こいつも知ってる訳ないよな。だいたい
ここの地下住人たちは自分のこと以外は
ほとんど興味ないみたいだし。





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